今回は、朝日の「9秒台は通過点」という記事。2017年12月7日。記者、篠原さん
記事にはこうかいてある。
2017年度の朝日スポーツ賞に、陸上男子100mで9秒98の日本新記録をだした桐生さんが受賞。桐生さんは9月9日の日本学生対抗選手権で日本のスプリンターではじめて「10秒の壁」を突破している。「けがを乗り越え、トレーニングを工夫し、日本陸上界の新たな地平を開いた」という。
<試合の映像>
https://www.youtube.com/watch?time_continue=227&v=NtSET4wzR3g
ところで、トレーニングの工夫、とは?
「坂ダッシュなど走るトレーニング以外はやりたがらなかった桐生が、筋力トレーニングに目を向けた」とのこと。
どうも、04年アテネ五輪の男子ハンマー投げ金メダリストの室伏さんに指導をうけて、独特のトレーニングで体幹をきたえたようだ。
結果、「徐々に終盤の失速が抑えられ」ていたという。
つまり、独特の体幹トレーニングで、終盤の失速が抑えられるようになったそう。
あんまり、因果関係がみえない。
まとめているサイトを発見。
テレビで放映されたようです。
<テレビ映像はこちら>
https://www.youtube.com/watch?v=BDS46ZAIYKg
観衆のどよめき、祝福の拍手が、「偉業さ」をものがたっていますね。
<トレーニングのまとめサイト>
http://tmbi-joho.com/2017/05/02/kiryu-murohushi-training/
ポイントについては映像を参考に。なるほどとおもわされる。
おもえば、伊藤選手が10秒00をだしたときにも、初動負荷理論がもてはやされたけれど、陸上運動の記録向上の背後にあるトレーニング理論が注目されるのはよいことだとおもう。
単純に記録競争だけではなく、その背後の仕組みもばっちり紹介されている。
その意味で、実は気になったのは最後のところ、
「9秒台突入は通過点」ということ。
やっぱりそこにいきついてしまったのか、と少し残念におもった。
通過点というのは、技術追求や競争のおもしろさをめざす結果という意味での通過点ではなく、より速くの通過点なのであろう。
目標を見失った人々に、目標はまだ9秒98よりはやいタイムをだすことだよ、と暗にしめしているようで、なんだか居心地がわるい。
9秒台を通過したことは、もう「日本人の夢」としてタイム競争が幻想化されることがないのだなという意味で、よかったと私などはおもう。こう考える人って、結構いるのでは?
これによって陸上界は「文化」に着目していくあらたな門出にたつのではないか、陸上運動の技術追求やかけひきに着目した魅せ方の演出をどうしていくか、これから豊かな文化に育ってほしいなと願うのであーる。