読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

TAMAKOSIの日記

体育・スポーツや教育にかんしてかんがえたことを中心につづっていきます。研究会の情報も案内していきたいとおもいます。

たのスポ(菅実践)

サッカー 読書ノート

今日は「たのスポ」の2015年11月号をよんだ感想です。

 

(1)「できる」ことを考える多様なアプローチが学べます。

 

特に、今回の特集は「できる」ことの価値を問う、というものです。

 

 本誌を通して私は、「できる」ことが子どもの「おもしろさ」になっていること、「できる」ことが「文化の学び」にひらかれていること、この2つのポイントをひらめきました。

 

 竹内さんは冒頭で「できない」ということから「できる」ことの価値をさぐっています。

 

また大宮さんは子どもにとって「できても、つまらない(達成感と手応えがない)」教材ではいけないと主張しており、「できる」ことと「やりたい、たのしい」ことがつながるという視点から価値をさぐっています。

 

また菅さんは「できなくても熱中・没頭できるフットボールの魅力がある」というように、「文化的なおもしろさ」と子どもの「できる・できない」の関係を問い直しています。

 

「できる」ことの価値をめぐる見方・考え方がひろがること間違い無しです。

 

(2)私は本誌で文化研究の成果を垣間みた。

 最後に、菅実践に刺激をうけたことを。

 

菅実践では、子どもが放課で1つのボールをおかっけてだんご状態になりながらサッカーをたのしむ様子にヒントをえて、「民俗フットボール」の実践をおこなったものです。

 

「だんごサッカー」は子どもの遊びの風景としてよくめにつくのですが、これまではそれが「初期の遊びの形態」だと把握され、軽視されていたとおもいます。

 

もちろん、様相発達研究などによって「近代スポーツ」へと発展していくときの初期的な段階として位置づけられているので、無視されていたわけではありません。

 

 つまり、菅実践において、子どもがおもしろいと感じている一方で今まで見過ごされてきた、「だんごサッカー」にひそむ「フットボールの原初的なおもしろさ」を発見し、それを「民俗フットボール」(教材)を通して「文化の学び」へと転換していくことができたのは、中村敏雄さんや吉田文久さんの研究、そして「運動文化論(文化の学びの追求)」のなせる技です。

 

その発展性にまだまだ課題はありますが、文化研究が子どもの要求にこたえる「文化の学び」を可能にしたのです。

 

いや〜深いですね。

 

ちなみに、こうしたとりくみは1960年頃に中間項教材の追求にもみることができます。

 

かつて、あまりにも子どもの発達的・生活的実態とあわない「近代スポーツ」と、実際に生活の中で子どもがつくりだしたスポーツ(三角ベースなど)との中間に位置づく教材を開発しようとしました。

 

で、ラグバスとかラグハンドとか色々と開発されました。

 

このとき、バレーボールの「パスラリー」を開発する経緯として伊藤さんが放課で校庭でバレーボールで遊んでいる子どもの様子を参考にしていたことが『生活教育』誌にしめされています。

 

でも、かつての中間項は子どもの生活的な運動文化実践のその先にすえたものは「近代スポーツ」でした。それもそのはず、子どもは「近代スポーツ」を自分たちのルールに改変していたのですから。

 

でも、菅さんのアプローチはそうではなく、民俗スポーツをその先にみすえたものでした。それが「フットボールの原初的なおもしろさ」を中核とする学習です。

 

時間軸でいうと過去にもどったわけですね。

 

子どもたちは「近代スポーツ」を想定してサッカーをしているけれど、実はその「近代スポーツ」が内包する初期の文化形態として「民俗フットボール」(菅さんの場合はカークウォールのバーのイメージだとおもいます)のおもしろさがあって、そこに光をあてて、フットボールのおもしろさをめぐる文化的理解をうながそうとするものです。

 

日常の遊びを、文化の世界へつれていく、こうして「できる」ことが教材に、そして子ども自身にはねかえる授業をつくっていきたいですね。

 

で、菅さんからは「固有のおもしろさ」と「原初的なおもしろさ」という2つの軸がでてきたことは注目したいとおもいます。

 

また、菅さんも戦術論に影響をうけて学習の発展についてゆれているようです。

 

今後どうなるんでしょうね。

 

※こちらは国府宮の裸祭り(昨年)です。バーのようなだんご状態がこの後裸男をめぐってくりひろげられるのです。ちなみにその時をまって、はやくから写真左側の屋根にのぼってシャッターチャンスをまつ新聞記者の方があまりにも気の毒だなとおもいました。花見の場所を確保するのとちがって、危険だし。

f:id:think-for-themselves:20151205231442j:plain

 

 

広告を非表示にする