TAMAKOSIの日記

体育・スポーツや教育にかんしてかんがえたことを中心につづっていきます。研究会の情報も案内していきたいとおもいます。

健康教育実践の学習会

 

2015,11,15,コメダ珈琲(名古屋)

 

これで3回目である。大阪からわざわざ健康教育の道のプロフェッショナルな方がこられて検討をかさねている。

 

 

1.本日、『どこでもドアⅢ』よりインフルエンザの実践記録をよみ、学習会をおこなった。

 

実践は6年生で3時間実施された。

 

実践の動機は、新型インフルエンザの発生によって市内一斉に一週間休講になったことや、教職員はみな外出するときはマスクを着用するようにと指令がでたことや、保護者から「新型インフルエンザにかかったっていわんといてください」という声をうけたことなどである。

 

当時、新型インフルエンザは関西の高校が集団でかかったことを契機として社会問題になっていた。高校へは「バスにのせるな」「外にだすな」「学校は何をしているんだ」と非難が殺到した。つまり、新型インフルエンザにかかった人は病原菌を拡散させる危険人物であり、隔離せよ、さらには一掃せよといった非人道的な非難がおこったのである。

 

だから「うちの子が新型にかかったとなると、学校中でいじめにあったりするんじゃないか」という保護者の不安にもつながる。

 

こうした新型インフルエンザをめぐる社会的な対応は、やっぱりおかしいのではないか、人を病原よばわりして非難することがまかりとおっていいのか、実践者は子どもだけではなく保護者も視野にいれて実践の計画をたてていった。

 

実践の概要は次のとおり(わかんないだろうけれど)。

 

ねらい:病気まで「自己責任」と見る社会の問題を子どもたちと学び、「健康は社会のみんなで守っていくもの」という意識を育てたい」

①病気を自己責任としないで、社会問題としてとらえ、弱者の視点からも考える。

②メディアに惑わされず、正しい知識を持ち「正しく恐がる」ことの必要性がわかる。

③共に「病気」の意味を問い直す「対話の授業」を通じて、子ども同士、親子の関係を深める。

 

1時間目<新型インフルエンザとその対策について>

 ・「スペインかぜ患者の入院している写真」をみせて「なんの写真?」

 ・パンデミックインフルエンザの歴史

   スペインかぜの死者が戦死者よりも多いことや10年ごとに大流行していること、新型インフルエンザとの比較など。

 ・新型インフルエンザのニュース、日本の対応について

 ・新型インフルエンザの説明(H1N1、HとNについて)

 ・新型インフルエンザになったら国にどんな対策をしてもらいたい?

 ・実際に日本がとった対策(水際対策、学級閉鎖)

 

2時間目<インフルエンザが感染する仕組み>

 ・インフルエンザの感染経路について

    マスクとウィルスの関係は、「トンネルにアリがとおる」ようなもの。

   マスクは自分が周囲の人に病原をうつさないようにするために着用する。

 ・ワクチン接種をするとかからないかどうか、三択。

 ・免疫劇場(ウイルス感染、体調と免疫力の関係)

   免疫力が高いと熱やかぜの症状もでないで抗体をつくることもできる

 ・ワクチン劇場

   前橋レポートをもとに

 ・新型インフルエンザのワクチンをうちますか。

  

3時間目<新型インフルエンザをめぐる社会の動き>

  ・神戸高校のインタビュー写真

  (みなマスク)

 ・欠席するかしない、あ欠席理由を3つ。

 ・新型インフルエンザの対応

   自分は、社会は、弱者に対しては、国は、

 

実践資料はかなり膨大にもらい、実践の詳細をあげることもできるのだけれど、ここでは省略したい。

 

 

実践記録をよんで考えたことは、健康教育の教科としてのアイデンティティをどう構想するかということであった。

 

つまり、体育と健康の2つの領域をふくむ保健体育科教育学の構築をどうするか、これはちょっと前に『体育科教育』でも特集としてとりあげられたテーマでもある。

 

どうしてそんなことをおもったかというと、近年精力的な健康教育実践を学習する機会があって、「健康問題は社会問題である」とする教材観を大切にした実践をめにするようになった。そこで、社会科との区別が個人的な関心ごととなっていたのである。事実、総合的な学習の時間での実践もよくみられた。教科としての区別が必要であろう。

 

で、おもいついたのは、「からだ(・命)」が柱になるのではないか、ということである。つまり、社会問題としてとらえる場合も、「からだについて社会がどうみているのか」ということを念頭にいれる。

 

 「からだの仕組みからするとこうだ」なのに、「社会はこうからだを判断している」といった具合に。

 

 教科固有の学習内容としてからだをめぐる学習があること、これが今後実践のひろがりとともに問われていくことではないだろうか。

 

 あと、この実践できになったことを。

 

 ・「ともにいきる」を「病気・感染」で考えると、「人(弱者)にうつさないために配慮する」ことが大切になる。

 ・「感染」とは人と人の関係であり、社会問題化しやすい。「感染」をめぐって「病気とは何か」がみえ、健康観が育まれるはずだ。では、どういった知識を介してどんな健康観を育もうとするのか。「手洗い・うがい・マスク」と「新型インフルエンザ」に共通する教科内容は「病気・感染」の本質をめぐる原則的内容としてみちびきだされるかもしれないと感じた。

 ・あと、社会問題をあつかう場合、問題解決学習が中心となる。「問題」が先にくる。このことも考えたい。

 

2.もうひとつ、本日は高校の飲酒と健康の実践の検討をおこなった。

 

 実際にあってきいた断酒会の方の話をまじえ、アルコール依存症を自己責任ではなく社会的な問題としてとらえる視野をはぐくもうとした実践である。

 

 学習者の感想文ではロールプレイングでだされた友達の断る方法が参考になったとか、酒に飲まれないための決意が記述されている。

 

中には「自業自得だとおもった」という感想もでた。

 

断酒会の方のことなのだろう。次の課題をしめしてくれる貴重な感想文である。

 

※写真は大阪の居酒屋で小さなライブをきいていたときに、ふときづいたら上着がよほどきにいったのか顔をうずめて静止する猫です。

 

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