読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

TAMAKOSIの日記

体育・スポーツや教育にかんしてかんがえたことを中心につづっていきます。研究会の情報も案内していきたいとおもいます。

2015年3月22日愛知支部例会「小1・2シュートボール」

3月22日愛知青年会館1時半から愛知支部例会が開催されます。

 

今回は小学校1年生と2年生のシュートボール実践です。

 

1年生で実践された方は昨年も実践され例会で検討されたものなので、どのような実践がでてくるかたのしみですね。

 

また2年生で実践された方は、「たのスポ」の執筆もかねての挑戦的実践で、シュートボールでデータをとりながら子どものわかるを大事にした実践展開をしているものとなっております。

 

シュートボールをしりたいかた・ふかめたいかた・ぜひおこしください。

 

 

 

 

 

以下メモです。

 

今回自分が議論したいなとおもっていることは、まずは実践者の意図を大切にして、実践者がどんな子どもに育ってほしいと考えているのか、体育で何を育てようとしているのか、これにそった議論を展開することが必要ですが、以下のことも実践から学びかんがえていきたいとおもいます。

 

1。低学年は「基礎技術(コンビネーション)への到達」と仮定し、①なげる喜び、シュートする喜びをたっぷり味わわせたか、そのことがシュートボールを追求する姿勢に転移しているのかどうか、②シュートボールで2:1から2:2のイーブンナンバーに進んだ方がいいのか、それとも3:2にすすんでいく方がよいのか、またそのときの学習内容(攻防の発展的関係)の明確化

 

 ※兵庫支部の集団研究のようにカリキュラム上、シュートボールからラグハンドボールにすすみその後ハンドボールにすすむようになっているのか?それともシュートボールで他の球技系教材とも共通の戦術を学習させることがねらいなのか?教育課程をみすえこの点を整理しておきたい。

 

シュートボールは何を目標として指導するのか、この問いをふかめたい。

 

2。シュートボールでわかせたいこととわかるをひきだす教具(データ)をさぐる。

 

3。低学年の子どもにどんな願いをこめて授業をつくっていけばよいのだろうか。

 

 

よし、これで例会前にこのブログをみかえせばおもいだせるな。

 

 

 

 

 

※ちなみに以下、昨年シュートボール実践の学習会を担当していたので掲載しておきます。

 

 

 

ただ、図や表がはいらなかったりゆがんでるところがあります。 

 

 

 

小学校1年生のシュートボールで獲得させる「わかる」こと

 

 

1.シュートボールとはどんな運動教材か。 

(1)シュートボールのルール ※小学校1年生東條実践(2013『キックオフ』)の場合。

 ◎得点方式:相手チームのコートにある円で囲まれたゴールに対して円外からボールを投げ,段ボールに当てれば1点,倒せば2点となる。ゲームの途中でプレーを中断することはなく,倒した箱(ゴール)は倒した人や周囲の人が立てたりして,1分程行う。


 ◎コート:内円の半径1.5m 外円2.5m ゴール間の距離:15m ゴール(段ボール箱)

  

 ◎ルール,用具によって教えるゲーム形態が大きく変化し,教える中身や子どもの多様な実態に対応できる教材。

 

ルール変更の視点

変化

効果

ねらい

ゴールの大きさ

大きくする

シュート空間(重要空間)の高まり

・1:1局面でのシュート成功率の向上

・シューターに対する2人での守り(プレス)の出現・活用(2:2)

小さくする

シュート空間(重要空間)の減少

・1:1局面での詳細なフェイント動作の学習

・パスの出現・活用

・シューターに対するマンツーマンの出現・活用

倒れたゴールをなおす人

シュートした人

1人Dfが遅れ,Of有意となる。

・速攻によるシュート成功率の向上(1:1)

・速攻による2:1局面の出現・活用(2:2)

他の人

あきらかに有意な場面が生じなくなる。※必ずしもDf有意ではない。

・速攻による2:1でのシュートまたは2:2での作戦をつかった攻めの両方が求められる。

得点後のくぎり

くぎって真ん中からスタート。

DfがDfポジションにつける。

・速攻プレーがなくなる。

・Dfを確実にくずす作戦を必要とする。

・同じ状況からスタートのためわかりやすい。

くぎらない。

Ofはシュート後の戻る時間を考慮する。

・速攻プレーの出現。

・運動量の確保。

シュート時間の制限

制限する。

時間内にシュートをしなければならなくなる

・すばやい作戦の実行が必要となる。

・シュート機会の保障

制限しない。

じっくりと攻めることができる。

・作戦をなんども実行することができる。

(シュート数の減少)

コートの大きさ

 

オールコート

攻防の切り替えがある(攻防切り替え型)

・ゲームに多様な場面が生じ複雑さがます。

ハーフコート

攻防の切り替えがなくなる(攻防分離型)

・役割がわかりやすく学習がしぼりこみやすい。

◎他にも,円の大きさ,一重円か二重円か,自ゴールと相手ゴールとの距離,ボールの大きさ・柔らかさ,キーパーの有無などがあるけれど,省略。

※これらのルールの組み合わせによってゲームの形態が変化する。 

 

◎大阪支部の集団研究(佐々木,2007『キックオフ』)

  時期:2005年(学習会中心)~2006年(実践づくり中心)

  背景:教育課程を視野にいれた実践づくり

    

  • キーパーは本当に必要なのか?

   ・キーパーがあることで教えられること

     的も前に立つことで守りができること?

     攻めと守りの位置関係

     キーバーを交わしてシュートを打つ技術を身につける

   ・キーパーがいることで困ること

     ぜったいシュートが入るという状況がなくなる

     技能差が歴然と表れる

     キーパーの顔にボールがあたる(1年生では避けたい)

 

  • 全円である必要があるのか?

   どの方向からでも攻められる

   どこから攻めても同じシチュエーション

   反対側があるため2:0コンビネーションを作りやすい(ただしキャッチに課題)。

   1年生はゴールではなくて的がねらいやすい(ゴールのすみをねらうのは難しい)

    ⇒ 全円の必要がある。

 

(2)シュートボールはいつからやられている?

(ⅰ)小学生のボール運動の技術指導の系統性研究の一環で開発(平林,1989『たのスポ』)

中心人物:岡田和雄と平林宏美

背景:当時の低学年における学習指導要領ではドッジボールが位置づけられていた。そこで,1968年から荒木(1967)が示した球技の基礎技術規定(2人のコンビネーションによるパスーシュート)をもとにして,小学生のボール運動における技術指導の系統性の実践的解明に着手した。その結果として低学年のボール運動教材としてシュートボールが生成された。

       ※現在:ボール投げゲーム・的当てゲーム・ドッジボール・ボールけりゲーム・ベースボール

 

    特徴:ハンドボールやバスケットボールに発展する内容を含んだ攻防入り乱れて行うボール運動の基礎的なゲーム

 ・シュートのおもしろさの体験

      ・ゴール前におけるコンビネーションプレーの工夫や発明

      ・シュートボール → ラグハンド(ラグビーハンドボール)→ ハンドボール

                → ポートボール → バスケットボール

 

 → シュートボールを教材とする場合は他の教材への発展性(カリキュラム)を視野に実践されていく必要がある。

 

(ⅱ).球技(ボール運動)の(技術的)特質と技術指導の系統性(森,2005,8『たのスポ』)

 《ボール運動の戦術の際立った特徴》

  ①ボール運動でもシュート,フェイント,パスなどの個別テクニックは大事だが,それらが2人以上のグループ戦術(チームフォーメーション)のなかで発揮され生かされなければならない。

  ②戦術プレイの達成(成否)に,ゴールを含むコートにおける空間的な条件(スペース)と,状況判断や意志決定のための時間的な条件(タイミング)が大きく影響する。

 

 《荒木(1967)の基礎技術規定》

  ①学習しようとしている運動文化の本質(特質)を形成している最小単位の技術

  ②最初に練習し最後まで質的に発展する内容をもった技術

  ③学習する運動文化の技術習得については,誰もが必ず体験し,習得しなければならない技術

   ※特質:運動(スポーツ)に特有の本質的なおもしろさ。それなくしてはその運動(スポーツ)がそれとして成り立たない不可欠な性質のこと。

 

    ⇒ どう(特質を含んだ)基礎技術の質的な発展を考えるのかが技術指導の系統性の課題。

 

 《ボール運動の特質》

   ボール運動の特質:「コンビネーションを含むシュート」

     ①競技の目的・目標である得点に直接関係するシュートというプレイに見いだした。

     ②単独の個別のプレイではなくコンビネーションをともなうことを最も重視した。

 

 《ボール運動の基礎技術》

   「2人のコンビネーションによるパス‐シュート」(最小単位は2人)

     ①コンビネーションを成り立たせている2人の予測・判断がぴったりと一致していくこと。

     ②コンビネーションの多様性(バリエーション)が増すこと。

     ③コンビネーションの複雑性(適応可能性)が高まること。

 

(2)小学校球技(ボール運動)カリキュラム中間試案(兵庫支部,2002,10・12/2003,1・2/2004,9)

 

 

・子どもたちの発達段階を考慮

・2つの教材(シュートボール   

とフラフト)の関連を中心に

まとめたもの。

※総合的ではなく中間試案


図はいらず。       中西(2004,9,p.9『たのスポ』)より。

 

 シュートボールは①近代スポーツへの発展を見越して教材として生成されたもので,②そのルールや楽しまれ方に対する文化(歴史―社会)的背景をもたない。→ 高学年での発展性のない実践には反対。

 

3.シュートボールでもとめられる戦術的知識とは。

(1)発達段階と学習目標―兵庫支部の集団研究より―

<久保(2005,8『たのスポ』)>

  低学年:自分とボールやゴールとの関係はわかっても,味方や敵の動きまでも認識するということはできにくい

 

  ボール運動のおもしろさの中心であるコンビネーションからの攻撃については,この時期の子どもの発達段階から考えると意図的に取り入れていくことは無理があると思われる。この段階ではできるだけ自分がボールに触れ,数多くシュートするおもしろさを味わわせることである。コンビネーションに関しては,シュートのこぼれ球がどこでとりやすいのかがわかり,うまく処理していくような力をつければよいと考える。

 

  ①自分がボールをもった時に「どこに(重要空間)どのように攻めればよいのか」がわかり,そこを使って攻撃していく技術を獲得する。

  ②「自分(あるいは味方)がボールをもった時と相手がボールをもった時にどう動けばよいか」という攻防のきりかえがわかって動けること。

 <松村(2005,8『たのスポ』)>

中学年:認識面では,時空間の認識が広がり,空間や仲間の関係に目がいくようになる。そのため,運動やゲームを見通したり,ものや人の動きを言葉や図で関係づけたりする力がついてくる。3年生は運動量の多い教材で空いている場所を見つけて攻めるコンビネーションプレーの学習が,4年生では論理的な思考が伸び始めるため,意図的に空間をつくって攻めるコンビネーションプレーの学習が効果的。

   ①どこまで持ち込めばシュートしやすいかという場所(重要空間)の認識。

   ②重要空間で空いている場所を見つけて攻めるコンビネーションやそれを防ぐコンビネーション

   ③重要空間で意図的に空いている場所をつくりだして攻めるコンビネーションプレーの基礎。

   ④作戦→練習→試合→分析→練習といった主体的な学習サイクルをみにつける。

 

(2)1・1または2・2で獲得させること(戦術-技術的知識・技能習熟の目標)

≪1:1での攻防≫

 学習目標:「的に向かって手でボールを投げたり,はずれたボールを捕ったりすることができる」「的に向かう攻め方や,まとを背にする守り方がわかる」「みんなが活躍できるルールや作戦を考え,ゲームで実行することができる」(松崎,2006)

 攻めの作戦:「ぐるぐる作戦」「上から作戦」「上から投げるとみせかけて下から投げる作戦」(鳥越,2013)「守りがくるまえにシュート」(礒川,2013)

1:1の攻防における戦術-技術的な原則(坂田・大後らの論文2009年を参考にした)

(二重円外からシュート,時間は流す,シュートはゴールにあたったら1回のみ,はずれた場合Noカウント)

≪オフェンスに関する戦術の原則≫

○攻撃空間の創出

A・ディフェンスがいない空間をつくる(1:0の場面)

  ・ボールを保持したら相手よりもはやくゴールに向かう(速攻)。

B・シュートをするための空間(左右上下)をつくる(1:1の場面)

(左右への時空間のずれ)

  ・相手をかわすために一方のサイドに走っていく。

・相手をかわすために一方のサイドに走っていくとみせかけて,または走っている途中で,逆サイドにすばやくきりかえシュートする。

・相手をかわすために一方のサイドからシュートするとみせかけて,逆サイドにすばやくきりかえシュートする。

(上下への時空間のずれ)

  ・腕(肘)を大きくのばして,またはすこしジャンプして相手の上からシュートする。

  ・一方のサイドの斜め下からシュートするとみせかけて,逆サイドの斜め上からシュートする。

○攻撃空間の活用

C・空いている空間(肩の上,手の下など相手のからだの上下左右)にシュートする。

○攻撃権の保持

D・失敗したシュートボールを相手よりもはやく保持する。

≪ディフェンスに関する戦術の原則≫

 

○攻撃空間の奪取

A・相手がシュートするための空間をなくす(1:1の場面)。

  相手の動きをみてシュートコースを両手(上方向)または片手(左右方向)で防ぐ。

  相手と的の間に体を入れ,手を広げて守る。相手を見てミラーでついていく

○攻撃権の奪取

 B・相手が失敗したシュートボールを相手よりもはやく保持する。

 守備のコツ:「相手と的の間に体を入れ,手を広げて守る」「相手を見てミラーでついていく」(鳥越,2013『夏大会提案集』;礒川,2013『キックオフ』)

 

≪2:2での攻防≫

学習目標:「シュートやパスに有効なノーマーク空間(横側または裏側)がわかり,ノーマークの場所に動き,パスをもらってシュートができる」「ノーマークの味方にパスができる」「速攻作戦がノーマークになってシュートするのに有効であることに気づき,ゲームの中でできる」(松崎,2006)「非ボール操作の状態で攻防のきりかえができる」(中西,2004,9)「パスをしたら次の動きができる(はなれる・リターンの動きなど)」

攻めの作戦:2:0にするための動き(佐々木,2007『キックオフ』)

基本の作戦=「裏側からパス‐シュート」

「手渡しパス(スイッチ)―シュート」

応用の作戦=「守りを重ねてパス‐シュート」

「リターンパス‐シュート」

※2:2では「横の動き」でノーマークになるのが到達点。

シュートがうまくいかない時にリターンパスがでれば◎

2:2の攻防における戦術-技術的な原則(坂田・大後らの論文2009年を参考にした)

≪オフェンスに関する戦術の原則≫

○攻撃空間の創出

(ボール保持者)

A・ディフェンスがいない空間をつくる(1:0の場面)

  ・ボールを保持したら相手よりもはやくゴールに向かう(速攻)。

B・シュートをするための空間(左右上下)をつくる(1:1の場面。省略)

C・シュートをするための空間をつくる(2:2マンツーマンディフェンスの場面)

 ・守りを重ねてシュート

・リターンパス

D・パスをするための空間をつくる

 ・相手のいない空間に走りパスをする。

 ・相手をひきつけ,空いている空間にいる仲間にパスをする。

(非ボール保持者)

E・ボール保持者がシュートするための空間をつくる。

 ・スイッチ(手渡しパス)からのシュート。

F・(マークする相手をかわして)パスを受け取るための空間に走りこむ。

○攻撃空間の活用

(ボール保持者)

G・空いている空間(相手のからだの上下左右)にシュートする。

H・空いている空間にパスをする。

I・空いている空間にいる味方にパスをする。

(非ボール保持者)

J・パスを受け取るためにパスがとれる空間にいく。

○攻撃権の保持

I・失敗したシュートボールを相手よりもはやく保持する。

 

≪ディフェンスに関する戦術の原則≫

○攻撃空間の奪取

A・相手がシュートするための空間をなくす(1:1の場面は省略)。

 ・ボール保持者に2人がつく守り(プレスディフェンス)。

 ・マンツーマンディフェンスの守り。

 ・前後での守り(ゾーンディフェンス)

○攻撃権の奪取

 B・相手が失敗したシュートボールを相手よりもはやく保持する。


(リターンパスは3:3で教える。ここまでが2:2の限界)

≪3:3での攻防≫(ボールをもたないときの動きともったときの動きが理解できたら3:3へ)

 ※3:3は・・・保留。

 

3.シュートボールの実践課題「低学年のコンビネーション問題」(安武,2013)

「最初から」というのはいつからか?

 

 

 基礎技術規定:「最初から練習し,最後まで質的に発展し高められていくような内容を持った技術」

 

  <大阪支部の集団研究(佐々木,2007)>

  • 1:1を行う意味はあるのか?

    技能差がどうしても埋められない(学習が成立しにくい)

    でも,わかりやすい。

  • 1年生で1:1を行う意味はあるのか?

    パスをもらっても「受けて,シュート」ができない。

    ましてや,「受けて,シュート,さらにキーパーがいる」状況ではシュートは決められない。

   ⇒ 1年生段階ではパスにもっていく必要はない。

 

<大貫・河野(2005『夏大会提案集』)>

 【結論1】低学年の子どもは「逆サイド空間の有効性」に気づき逆サイド空間を使った攻めができる。

2年生では指導者の助言がなくても「反対側空間の重要性」に気づき,逆サイド待ちプレーが発現。

   ※1年生でも出現することが示唆(広島支部ニュース:中瀬古)

 【結論2】低学年の子どもは,「逆サイド空間を使った攻め」がはじまるとすぐに「逆サイドマーク」の重要性に気づき,逆サイド空間を守ることができる。

 【結論3】「逆サイドマーク」を打開するための「手渡しパス」「走りこみパス」は難しい。

 【結論4】「逆サイドパスカットからの速攻プレー」が「逆サイドマーク」を打開する上で有効か。

 

<小学校1年生中村(2007)>

  2:1の攻防分離型(ハーフコート)

   グループ学習(チーム練習)を経て,苦手な子への手渡しパス・ゴロパス(下投げパス)の出現。

   パス‐シュートがよくきまるようになる。しかしキャッチが苦手な子はパスの役割に固定するチームもみられた。

 

<小学校1年生礒川実践(2013)「1年生で2:2(コンビネーション)は可能か?」>

   成果:「攻防の切り替えができた」「Dfがついてもシュートとできるようになった」「ノンボールマンはボールマンから離れてまつことができた」「マンツーマンディフェンスができた」

   課題:「パスするタイミングの理解が不十分」「作戦を考えてからは,シュートにいくより,パスやら相手をみて,シュートチャンスを逃している場面も多かった」「考えた作戦が有効かどうかを見極めるのが難しい」

    ⇒ 「簡単に『1年生でも2対2は可能であることが分かった』とは言えない」はずだが,実践者は「1年生でも2対2は可能であることがわかった」と結論づけた。

        理由:「2:2の方が生き生き」「教え合い・応援し合いが多くなった」「苦手な子が2:2の方が楽しく,わかるようになったと答えた」

アンケート:楽しかったのは? 1:1が3人,2:2が13人,どちらも12人。

  

 <小学校2年生東條実践(2013)「コンビネーションプレイの初期は手渡しパスか?」>

   結果:いきづまりで手渡しパスを指導。しかし・・・。あまり使わず。

      2人が反対方向に走りすれ違う1点でボールを渡すのが困難。

    ⇒ ただ,手渡しパスが決まったときは歓声とともに拍手。「完全にだまされた」と笑顔で話す。

 

<GGPニュース53号>

  小学校2年生山本実践

「2人だからできること」:「へたな」Hさんも,2人の攻めだからこそシュートできる。

            2人だからこそ1人を乗り越えることができる。

            できる子もできない子も持っている価値観を揺さぶることができる。

   中川感想:「1:1では個人の技能差で乗り越えられない限界が必ずある。しかし2人の攻め(2:0OR2:1)にすることで,個人の技能差を乗り越えた世界を創りだせるのだ」

 

<安武(2013『キックオフ』)結論>

  シュートを意識した中でボールと人(敵・味方)の動きの予測判断(空間的・時間的)が必要となってくる「2人のコンビネーションによるパス―シュート」が,低学年期の児童にはかなりハードルの高いものであることはまずしっかりと認識しておかなければならない。

  「コンビネーション」に向けて教える中身を整理することも今後実践上大切になる。以前から漠然と感じていた「スポーツにおける文化性を大切にする」ということの1つの答えはでたのかなと感じている。

 

 ⇒ コンビネーションからのシュートがなぜ基礎技術として定着しているのか,その文化的・思想的背景を軽視してはいけない。

 

【まとめ】

  ⇒ コンビネーション VS 技能の未習熟(発達)段階

指導なしでも逆サイド空間には気づく,しかしパス・キャッチ・手渡しに困難。

    シュートと同様にキャッチの技能習熟をしたら?パスの工夫(した投げ・ごろごろ)をしたら?

     つまり,指導過程の問題? 実験的実践が必要。

  ⇒ コンビネーション VS 低学年の運動欲求(発達段階)

コンビネーションでシュートを制限するよりも,シュートする喜び,自分がプレーの中心になっておもいっきり運動する経験を味わわせることが大事。

 

  ⇒ コンビネーションには「できない子のシュート」「プレーのダイナミックさ(魅力)」がある。

    「パス‐シュート」の道をまだまだ探っていく。

 

4.シュートボールのルールづくりと運動文化の主体者形成についてー何のためのルールづくりかー

≪運動文化の主体者像≫ ※三層構造

 ・世界・国家的運動文化の民主的変革・創造者

  世界的・国家的な規模でのスポーツイベント(オリ

ンピック,国体,世界体操祭etc)

 ・市民的運動文化の民主的変革・創造者

   市民スポーツイベント(高蔵寺弾薬庫一周平和マラソン,

スポーツ協会主催の大会etc)

  ・内輪的運動文化の民主的変革・創造者

    自分たちでチームを組織し,大会イベント等は内輪

だけもしくは行わない。

 

  → さまざまな層において,誰もが対象となる運動文化のおもしろさ・喜びを享受できるように組織・運営,または変革・創造していくことができる主体者を育てたいし,なりたい。

  → 小学校の体育授業では,「すべての子どもたちが運動(スポーツ)の本質的な面白さが何か「わかり」,その面白さを味わえる技術的な能力をみんな獲得すること(『みんなができる』)が大切になる」(森,2005,8,p.6)。

 

→ この意味においてルールづくりがポイントとなる。

     ・その運動独自の面白さがわかり,そこを損なうルール変更はしないほうがよいのがわかる。

     ・その運動独自の面白さを誰もが味わえてかつ攻防関係が生じるルールをつくっていくのがスポーツの楽しみ方の1つだとわかる。片手足に麻痺をもつ子のためのルール変更はおなさけではなく,運動文化(スポーツ)の民主的な変革・創造を追求する延長にある。

 

≪本日の論点≫

①球技(ボール運動)のカリキュラム上の課題:その先の発展は?いつまでどこまでシュートボール?

②技術指導(技術指導の系統性と発達段階)の問題:

  低学年はパス‐シュートのコンビネーションを教える?パス‐シュートでないコンビネーション?

③ルールづくりのおとしどころは?(運動文化の主体者形成とルールづくりの問題)

  さくらをめぐるルールづくりをどう教えていくのか。

④学習集団形成の課題:低学年のグループ学習をどう組織するのか?