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TAMAKOSIの日記

体育・スポーツや教育にかんしてかんがえたことを中心につづっていきます。研究会の情報も案内していきたいとおもいます。

体育の「わかる」対象は?

研究ノート(体育と認識)

ちょっとここで、研究ノートとして認識にかんする資料をあたっていきたいとおもいます。

 

1つめは岡出さんが1990年にかかれた『日本における認知目標と授業過程に関する論議について』です。

 

詳細はネットで閲覧できますのでそちらを。あくまで研究ノートなのであしからず。

 

岡出さんは「わかる」対象や授業の方法にたいする共通の見解が形成されているわけではないことを問題提起し、「わかる」対象や「わかる」ようにしていくために授業過程をどのように組織していくのかといった視点でこれまでの論議をまとめるべきだと強調しています。

 

そこで、岡出さんは論文の中でこれまでの学習指導要領における「わかる」の位置づけを整理するとともに、『たのしい体育・スポーツ』のNo.1-26を資料として、307の掲載論文から認知目標ならびに授業過程にかんする論議を次の2つの視点をもとに整理しています。

 

①認知目標の対象にかんする見解

②授業過程の計画、方法にかんする見解

 

すごい根気ですね。

 

この頃「たのしい体育」路線で学習指導要領がうごいていたので、認識形成を重視して「わかるとできるの統一」を実践的課題として実践の蓄積をしていた体育同志会が研究対象となっております。

 

では①について、岡出さんの結論として認知目標の対象は次の7つのカテゴリーに分類することができるとしました。

 

①身体

 例)心拍数の変化によって自己の身体の調子がどのように変化するのか

   長距離をはしりとおす経過の中で身体にどのような変化がしょうじるのか

   自分の身体についての認識/身体への科学的認識

   仲間の身体についての認識

   さかさ感覚や足裏で水をおさえる感覚

   身体にたいする社会科学的認識

 

②運動経過、ゲームの様相といった現象としての運動の事実

 例)短距離走

    スピード曲線(ラップタイムをグラフ化してスピードのおちこみを)

    田植えライン(直線的にはしれない事実)。

   球技(ゲーム様相)

    心電図/AB回数方式/ABグラフ方式 

 

③技術、戦術といった課題を効率的に解決する方法

 例)バスケットボール

    カットインプレー、ポストプレーの方法

   短距離走

    腕振り

 

 ※教師がモデル提示をして練習をさせる場合と発見させる場合の2つがある。

   どのような条件のときに教師が提示し、こどもがかんがえるのかは不明。

 

④技術の意義や課題を解決する方法の有効性を保証する論理

 例)短距離走

 スピードの変化と歩幅の変化を対応させ、自分のうみだしたスピードが自分の制御スピードをおいこすことに起因して30m付近でのスピードのおちこみがしょうじる。

   タッチフットボールなどで作戦の重要性をおしえる。

 

 ※「なぜ」という根拠を理解させるためにはこどもの認識発達を配慮し、記録方法と組織する活動の2つの工夫が必要となる。しかし実際には課題解決方法が解明されてもなぜそれが有効であるのかの根拠が解明されているとはかぎらない。へそをみるとういてくる原理を小学校4年生では理解するのが困難ではないかという見解もある(平田ら、1986)。

 

⑤時間、空間

 例)タイミング、補助空間、最重要空間、さらには空間の意味といった概念。

   バスケットボールのAB領域の区別(シュートのはいりやすい空間とそうではない空間の区別)

 

⑥思想

 例)ルールの意味

   バレーボールで2.5mのネットのたかさでゲームをし、ルールの変遷にこめられた思想を理解させている。※これが発展するためには中村のようにうまくなることを直接の目的とはせずにわかることを意図した授業展開をしていくなど授業形態の変革がもとめられる。

 

⑦集団のあり方や必要性、さらには集団を組織する方法

 例)スポーツの技術や技能を科学的に解明するには集団での学習が必要であることを理解させようとする論と自治や民主主義といった集団のあり方を認識させようとする論、さらには学習集団として生徒集団を組織する方法を認識させようとする論の3つに区別できる。※この根底には教えあいもまた1つの技術であるという理解(中村、1986)があるとおもわれる。

 

以上7つでした。

 

そして岡出さんは分類をふまえ次の5点を確認しています。

 

①認知目標のしゅたる対象は、運動経過やゲームの様相、効率的な課題の解決方法、時間、空間といったスポーツの技術、戦術にかかわる事柄である。

 

②集団の機能や意義、組織の方法が認知目標の対象とされている。

 

③認識対象を明確にするために特定の概念をつくりだしている。また、それらの概念を理解するために特定の学習活動を組織している。

 

④実技の授業で社会科学的な認識を育むことを意図した実践の報告は少数。

 

⑤1-6カテゴリーと7カテゴリーは異質。前者はスポーツの技術にかかわる認識育成をねらう。後者は集団の意義や集団のあり方を認識することをねらう。今後は1-7のカテゴリーがどのように関連づけられるのかの検討が必要。

 

さて、最初の7つの対象についてもういちどかんがえてみたいとおもいます。

岡出さんのカテゴリーでは対象がかたられている目的が曖昧なので解釈が非常にむずかしいですが。。。挑戦です。

 

かんがえる、というのは①認識対象の階層性と②各カテゴリーの関係性を考慮してとらえなおしてみたいとおもうからです。

 

ここではいう階層とは2つのことを想定しておきます。

 

1つは対象の階層で、球技などで中心となる戦略・戦術レベルの知識(フィールド上でのうごき方)と動作(狭義の意味での技術?)レベルの知識(からだのうごかし方)があります。

 

もう1つは認識概念の階層で、知識レベルのものから知覚レベルのものがあります。

 

イメージとしては、知識レベルとは言語的思考を中心とし、知覚レベルは直観的思考を中心とします。

 

 

後者の方は意識的な言語的思考をかいした練習過程(自動化過程)をへて直観的思考として成立する場合もあるので、必ずしも感性的認識から理性的認識という一方向のものではありません。

 

一応単純化すると、戦略・戦術レベルでの言語的思考もしくは知覚レベルでの直観的思考と、技術レベルでの言語的思考もしくは知覚レベルでの直観的思考が存在するということです(たぶん)。

 

ではどうとらえられるのか。

 

 次回かんがえてみます。