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TAMAKOSIの日記

体育・スポーツや教育にかんしてかんがえたことを中心につづっていきます。研究会の情報も案内していきたいとおもいます。

低学年サッカーの授業づくりをかんがえるその3―授業づくりプロジェクト―

愛知支部の活動 サッカー

さて、1月18日に3学期の実践にむけて里紗さんのサッカーの計画づくりを授業づくりプロジェクトの中でおこないました。

 

ちなみに、プロジェクトとは特定の教材やテーマを設定して課題探求や授業づくりをしていく活動で月に1回の研究会(月例会)とは別におこなっているものです。

 

少人数ということもあって気軽に参加できるのが特徴ですね。

 

さて、今回もまた低学年サッカーの実践計画づくりです。

 

まずはひととおり里紗さんの計画です。

 

●実践者の決意

①子どもの感想に向き合い、自分の思いを表に出さないように努力する。
②間違っている授業の流れになっても、その時、何を見て、自分がその流れにしたのかをきちんと記録する。

 

つまり、子どもたちの主体的な学習を組織していくことを実践課題としてとりくみ、そのために自分が今どこでつまづくのか、自分自身の実践の課題はどこにあるのかを実践記録に反映させ事実をもってあきらかにしていきたいというものです。

 

実践記録をゆたかにしていくことを基本とする支部研究の柱にそったものですね。

 

●対象:小学校1年生26人クラス。班は(ペア×2)×5つの班と1班だけ(トリオ×2)にする。

 

●子どもの実態

 落ち着きつつある子どもたち。経験不足の塊でぎこちない動きがおおい。こちこちの動きから脱却し,運動は楽しい!とどの子も思ってほしい。

 

●実践のねらい

(1)技術面
 自分の思うようにボール操作できる。
  ドリブル・シュートに限定。パスをいれると動きが複雑化され、友だちのことを考えて取り組むことが難しいと考えた。
 ・相手のボールをとることができる。
   相手の動きをよむ。ボールの前に入って止める。


(2)グループ学習
  ・観点をもとに、友だちの動きを見て、チェックし、アドバイスし合うことができる。
    観点もぐっとこらえて、子どもの言葉をうまく生かしたい。

 

●計画(ボール操作をしっかり身につけさせ,自分と自分の勝負である1:1のゲームにとどめる)。

全15~17時間

<ボール操作>ボールタッチ・ボール引き・まねっこドリブル・わっかを目指せ・コーンを目指せ・ドリブルリレーなど
<シュート>シュートゲーム
<DF>とおしちゃだめよゲーム
<1:1>ハーフコート(攻防の入れ替わりなし)→全コート(攻防の入れ替わりもあり)大きさはサイド10m
 ポイント?
  ①相手との間合い(フェイントも含む)
  ②足の使う場所とける力
  ③体の使い方
  ④どこに進んでいくとDFがおいつけないのか(進む方向)

 

 里紗さんのこの実践計画は大阪の山本さんの実践をもとにしてつくられていました。これが民間研のいいところですね。過去の実践資料が簡単にてにはいるので、自分の計画を明確なものにしていけます。

 

 またこれまで紹介したものとちがい、じゃまじゃまサッカーを教材にしていませんね。じゃまじゃまサッカーといえば大阪の舩冨さんやまーさんが実践研究を蓄積しておりますけれど、必ずしもみんながじゃまじゃまサッカーを教材としているのではなくそれぞれが自分のねらいにそって実践研究を展開しているのですね。

 

実践の多様性があるからこそ「何を教える教材か」という議論やその方法探求がふかまるわけで、また教える中味がおおよそしぼれてきたら多様な実践がうまれてもいいわけですね。。

 

●教える中味とは?

さてさて、里紗さんの計画では「ドリブルからのシュート」が技能習熟の中核に位置づいています。

 

そしてそのためのボール操作能力を様々なゲームで体験し一緒にコツをさがしていきながら学習していくことから実践がはじまります。

 

ただしゲームの設定をみるとそのドリブルとは「ボールをはこぶためのドリブル」、サッカーでいう中盤のうごきではありません。「シュートをするための、1人のディフェンスをかわすためのドリブル」です。

 

なのでそのためのコツをさがしていくためにとおしちゃだめよゲームやハーフコートでの学習が位置づいています。転がる球をける経験をたくさんさせておきたいですね。

 

①シュートのたのしさをたっぷり味わわせる。

 里紗さんの計画ではドリブルシュートのボール操作のためのミニゲームが位置づいているけれど、まずはシュートのたのしさをたっぷり味わわせたいという話になった。

 

鬼のお面とか子どもがあてたくなるような目標物をつくってネットにひっかけて的あてゲームにするか、子どものシュート感をひきだしておもいっきりシュートする体験ができるようにネットに空き缶をぶらさげてみるか、とりにいくとあぶないのではねかえる体育館の壁なんていいんじゃないか、という意見がでました。

 

またこのときにつよくボールをけっている子のけり方を観察してどこがポイントがさぐらせてもいい。おおよそ教師がおしえたいのは①けり足の膝がまがっているのか、②ボールの左側(横)に軸足がついているのか(左ききは逆)、③軸足の膝がまがってふんばれているのか、という点にあるのではないかと意見がでました。

 

子どもはどんなけりかたをするかというときに堤さんの説明がおもしろかったですね。

 

子どもはつったったままでける。足をうしろにひかないで棒立ちでそのまま前に足をだすのです。そりかえるようなからだの動きになります。また軸足の膝をまげずに棒のような状態でおもいっきりけろうとしたら地球をけることになってしまいます。

 

②どうやってディフェンスをかわすの?

 1:1のゲームではディフェンスをかわしてシュートが必要です。

 

ここでふとおもったのは、サッカーはボール操作を足元でおこなうため、バスケットと比較すると操作空間がきわめて限定的であるということです。

 

特にディフェンスにつめよられたらバスケットボールはオフェンス側に上下左右の空間がありますけれど、サッカーの場合は上下左右はむずかしく、キホンは左右の空間を利用します。

 

そのためオフェンスはディフェンスにつめよられたら非常にかわすのが困難になるでしょう。

 

以前東京ではサッカーのおもしろさの質はシュート、キーパーとのはいるかはいらないかのドキドキ感、ディフェンスをかわしてのシュートという発展をたどるのではないかとかんがえました。

 

今回はキーパーの部分をぬいてディフェンスが先についています。確かにその方が子どもはおもしろいのかもしれません。ディフェンスがかわせるようになってから、キーパーとの緊張関係がうまれた方が対人競技の場合は自然なのかなとかんじました。さてさて、どうするか。

 

ただ、正面にこられたら左右にしかシュート空間がなくなるという意味ではキーパーとの緊張関係を保障するためにはゴールの大きさをかんがえないといけないなぁということがみえてきました。

 

またフェイントは左右へのふりが基本となるのです。

 

なので先行実践の山本さんも1年生の子どもたちとコツをみつけていったのですが、そのコツとは「きゅっ」っと動くというものでした。スタート時にボールを左右どちらかにつよめにけっておいついてシュートというのもあったのかもしれません。

 

ハーフコートのゲームのときのこのポイントを共通課題にして習熟していく時間をとりたいですね。

 

●じゃまじゃまサッカーとのちがいは?

 

 じゃまじゃまサッカーと比較してみえてくるのが、パスがないという点ですね。里紗さんはパスは友だちの速度や距離(間合い)をみるのは困難で目の前のぎこちなさ満載の1年生にはできないであろうとかんがえたそうです。

 

だから、ここにうちたいからここにうつ,ここにうちたいからボールをここにころがすという操作性を大事にしているのです。

 

なので、私がシュートすることができない!という状況からパスの必然性をひきだすじゃまじゃまサッカーとはことなり、技能習熟が徹底されなければなりません。

 

でもやっぱりシュートできない状況がうまれるのでは・・・山本実践はどうしていたのか?と問いかけました。

 

すると、山本実践でもやっぱりシュートできないことが問題となっていました。そして話し合いです。

 

「弱気ディフェンス」という案がでました。つよい子はへたな子とあたったときに弱気でディフェンスするというものです。

 

またおなじぐらいの力をもった子ども同士で対戦するという案もでました。

 

子どもたちは前者の方で合意していくところを、山本さんはちょっと説得的に(?)後者の方にもっていったようです。詳しくは実践記録をみないといけませんが・・。

 

そして、ゲームを得点率にしていきました。階級制とおなじ発想ですね。ここが運動文化のいいところでもあります。ルールを工夫すればみんなが平等にたのしめるようになっているんですね。

 

2:2にいかず1:1でとめる場合はここの話し合いが重要な点になりますね。もちろん教師があらかじめこうやってもいいかと説明してもいいかもしれません。

 

さて、ここでせっかくじゃまじゃまサッカーと1:1を比較したので、一応課題としてはじゃまじゃまサッカーはディフェンスを左右にかわす動きを学習させないですぐにパスにもっていく場合がおおいようにおもいます。ここをすどおりしていいのか、この点をもうすこし吟味していく必要がありそうだなとおもいました。

 

●低学年のグループ学習について

 低学年のグループ学習といっても「わかる」の質がふさわしいものになるだけであって、しくみはかわらないようにおもいます。山本さんは発問をして子どもたちにうごきのポイントを発見させ、それをみんなの観察ポイントにしていきます。

 

低学年の場合は具体的な動作よりもボールをうまくけれているのか、おもいっきりシュートができたか、ディフェンスをうまくかわせたかといったおおきな事実を「できたか・できなかったか」と〇×でグループノートにかかせていくことがおおいのではないでしょうか。

 

運動の実態を把握するための相互観察がまず組織されるのです。その後で、より具体的なポイントを発見的に学習して、おしえあっていくすじ道をとおるのかな。

 

詳しくはやはり山本実践をみないといけませんね。ひとまず里紗さんもポイントの発見⇒相互観察⇒できるように練習しあおうという流れでうまくなるすじ道をかんがえているようです。

 

ということで、次は山本実践をみていきたいとおもいます。